小さい頃から目を閉じた時に現れる質感があって、あれを大人になった今も時々感じられる時がある。
あれはいつも見られるわけではなくて、見られる時は確かめるように目を閉じて、じっくりその正体を探ろうとするのだけど、ちょっと鼻のあたりがくすぐったくなるくらいで、あれはなんなのか未だよく分からない。
あれには何パターンかあって、毎回一緒とも限らない。
青色だったりクリーム色だったり、何色かわからない色だったりする。音にすると、小さく「スファーーーサーーー」といったところか。
円形の青色のはすごくきれいで、調子がいい時にしか見られない。むしろ、大人になってから見たかも曖昧で、今まで見た中で一番きれいだったのを記憶していて何回も思い出しているだけかもしれない。
30過ぎて不思議ちゃんぶっているわけではない。
こういう不思議は誰しも経験していて、それを覚えてるかどうかぐらいの違いだと思う。私も沢山の不思議を忘れてしまっているのではないかと思う。
それでも、こういう不思議を絵にしたい、と直接繋がっているわけではないのだけど、結果的にそういうことになる。日々描くのはだいたい人みたいなものに何かが起きている様子で、それらは日常と自分の中にある無意識タンクの中でミックスされたものなので、描いてからしばらくしないとそれには言葉が乗らない。言葉が乗らないどころか、どうしてそれを描いたのか自分でもよくわからない。
[絵を描くのが好きで描いている]というより[本質や本心や自分なりの結論が無意識に描いたものに結果あらわれている現象が不思議で面白い]わけで、無意識タンクに注水するには現実世界のあれこれが必須なんだろうと思う。あれこれとは、感動とか衝撃とか、いいことも、そうでもないことも。
ただ面白く生きたいだけなんだけど、いろいろ難しい時もある。けどそれが面白いという、妙に巡っているかんじがまた面白い。なんだ、結局面白いんだ、無意識タンクをフル活用してればさ。